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廃墟ちゃんねるブログ

廃墟ちゃんねるをまとめたブログ
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:2007:09/30/19:22  ++  ムーラン乙女

IMG_6825-1.jpg






東海エリアを代表する廃墟が静岡県に存在する。
山間の国道を走っていると、大きな風車形の廃墟が目に入ってくる。
雄大であり、遠くに見える富士山と相まって情緒すら感じられる。
1階と2階にはレストランと土産物屋があり、立地条件の良いこの場所は多くの人で賑わっていただろう。
その頃の様子を、床に落ちていた絵葉書が物語っていた。
3階には事務所と倉庫があり、金色のボタンを付けた紺の洒落たワンピースや
少々割高なレストランのメニューが散乱していた。
机に目をやると、セピア色になった写真が数枚置いてある。
ここのオーナーと家族、従業員らが笑顔を輝かせていた。

DSCF8643-1.jpg





 DSCF8637.JPG







DSCF8638.JPG








 かつて、心霊スポットとしても有名だったこの廃墟に、時の人「織田無道」が
ここの悪霊と戦う為にやってきた。
織田は恐怖におののきながら、見えない何かに必死に訴えかけていた。
テレビの企画だからなのか、その姿は滑稽にさえ映っていた。
しかしこの時織田は、こういった写真や残留物を見て、その企画とは違う感情を持ったのではないだろうか?
いや、そう感じていたと思いたい。
それほど、ここに残っていた物は、訪れる人の心にダイレクトに訴えかけてくる廃墟の本質があった。

 通常、風車は、その名の通り風の力を利用して回っている。
しかし、この廃墟の風車は機械の力で回っていた。
その大きな羽は、よほどの大きな風でも吹かない限りもう回る事はない。
人にも風にも素通りされてしまう風車は、今でもその姿を山肌に晒している。


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:2007:09/18/02:39  ++  ドライブイン K

_MG_2393-1.jpg 人は、お金を出してでも「便利」と「楽」を手に入れる。
現在、高速道路も日本の至る場所を通っていて、どこへ行くにも便利になった。
しかし、いまだに行くのに不便な観光地がある。
そこは半島の先端、観光客があまり来ない場所である。
高速道路も鉄道も、半島の末端まで通っていない場所に、比較的多く廃墟が存在している。

 昭和、高度経済成長期をむかえ、テレビや車、旅行などが生活に密着し始め、暮らしに潤いを与え、
人々の暮らしは少しずつ豊かになっていった。
それに比例し、観光地ではホテルや土産物屋などが乱立した。
ここも、そんな時代の波に乗り、建てられた一軒の土産物屋である。

 海風が強く吹くこの場所では、その風によってガラスが割れる。
割れた2階の窓からは、建物の内部が見え隠れしている。
看板は外れ、窓は割れ、一目見ただけで廃墟と呼べる状態になっていた。

1階の窓は板が打ち付けられており、店内はかなり暗くなっているが、
天井付近にある小窓はだけは、板が打ち付けられてはおらず、そこから光が差し込み
残されている土産物が物悲しさを強調していた。
何のキャラクターかわからない絵が描かれているマグカップや灰皿、地名さえ書き換えれば
どこでも売れるキーホルダーやのれん、私が学生時代によく見た懐かしい土産物がそこに並んでいる。

比較的しっかりとした大きな階段を上ると、団体さん向けの食堂になっている。
建物の端から端まで、椅子とテーブルが所狭しと並んでいるが、
これを埋め尽くすほど人が来たのだろうかと疑問を感じてしまった。

特に興味を引くものは見当たらず、1階のオーナーの部屋を覗いてみた。
見たこともない動物の死体が布団の上に横たわっているが、それよりも
足元の数枚の紙に目をひかれた。

_MG_2461.jpg






信販会社からの催告書や裁判所からの期日呼出状だ。
それによると、クレジット代金の入金交渉が進展しないために、裁判所に支払い命令の申し立てをしたという内容だった。
莫大な金額というわけではないが、経営末期には厳しい現実がここにのしかかってきたのだろう。
それにより、ここがオーナーから手放されたという結果には直結しないかもしれないが
廃れてしまった観光地には、この様な廃墟が多数存在するのも事実である。

昭和から平成になり、時代は大きく動いた。
人々の意識も変わり、新しいものを次々に求めていった。
新たな時代の波がきても、それに乗ることができなかった経営者達は一気に姿を消していった。
そして、負の遺産だけが今尚残っている。
廃墟とは、そんな時代が残していった、時の移り変わりを具現化したものなのかもしれない。