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:2007:09/13/16:16  ++  ホテルアムール

IMG_5113-1.jpgホテルアムール。
昭和を代表する有名観光地、熱海から山を一つ越えた辺鄙な場所に存在した。
峠を越えてしばらくクネクネとした道をおりていくと、風に煽られたボロボロの小さい看板が見えてきた。これはひょっとして「廃墟」ではないかと、安っぽい看板にかろうじて残っていた矢印の案内通りに進んでいく。
陰気な空気が立ち込める暗い暗い沢のそばに、廃墟という言葉がピッタリな建物が姿を見せた。
2階建てのラブホテル。1階は車を止めるスペースになっており、その駐車場から直に階段を上り部屋に辿り着くという構造だ。
狭い階段を上っていく。階段を演出する壁紙は、誰が好むのかという趣味の悪い真っ赤な壁紙。
気分を害しながらも階段を上ると仰天した。
窓の外に設置されている、ピンクのビニール製の目隠しがその色に部屋を染めていた。
部屋には、古臭い女性用の洋服が何着も何着も、秩序なく放置されていた。
丁寧にハンガーに掛かった洋服もあったが、人がぶら下がっている様にも見えて、
激しい恐怖を感じてしまった。
この廃墟は、なぜ何百着もの洋服が散乱しているのか?
どの洋服を見ても、昭和40年代から50年代のデザインばかり。
倉庫に眠っていた「年代モノ」を処分しきれずに、業者がここを捨て場としたのだろうか。
しかし、有力な情報が後日飛び込んできた。
ここに服を持ち込んでいる人を見かけた、という情報だ。
年の頃は30代から40代。
ひょろっとした、いかにも夜のお仕事が似合いそうな外国の女性。
遠くから目を凝らして見てみると、その傍らには、手提げカバンを持っており、時折見せるカバンの中身がその洋服だったという。
お店に雇った沢山の「ダンサー」達に提供していた洋服を、経営に行き詰ったママさんがここを捨て場に選んだのだろうか。
ただでさえ緊張感がある廃墟で、この様な意図しない演出は極めて心臓に悪いものである。
世の中には、様々な廃墟があるものだ。

ホテルアムールは、沢山の廃墟フリークの興味を集めていたが、2007年に解体されてしまった。

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